タダです.
以前から気になっていた 牛尾 剛さんの『世界一流エンジニアの思考法』を読み終えたので,この記事で読後の感想をまとめます.
目次
本書はページ数が248ページで,全7章で構成されています.
- 第1章 世界一流エンジニアは何が違うのだろう?―生産性の高さの秘密
- 第2章 アメリカで見つけたマインドセット―日本にいるときには気づかなかったこと
- 第3章 脳に余裕を生む情報整理・記憶術―ガチで才能のある同僚たちの極意
- 第4章 コミュニケーションの極意―伝え方・聞き方・ディスカッション
- 第5章 生産性を高めるチームビルディング―「サーバントリーダーシップ」「自己組織型チーム」へ
- 第6章 仕事と人生の質を高める生活習慣術―「タイムボックス」制から身体づくりまで
- 第7章 AI時代をどう生き残るか?―変化に即応する力と脱「批判文化」のすすめ
本書の構成
本書では大きく2つのパートに分かれるなと感じました.
1, 牛尾さんと同じチームのエンジニアの方と働く中で感じた学びや体験を通して生産性向上のための考えを言語化をしている
下記の引用文にあるように,マイクロソフトのエンジニアの方がどういった働き方をしているのか,どういった企業文化・環境の中にいるのかを言語化されているなと感じました.
「怠惰であれ!」「早く失敗せよ」―― 米マイクロソフトの現役ソフトウェアエンジニアの著者が、超巨大クラウドの開発の最前線で学んだ思考法とは? “三流プログラマ”でもできた〈生産性爆上がり〉の技術!
2, 自分自身のコンディションを整えつつ,自身が楽しく研鑽し続ける心構えの解説
もう1つは働く上で大事な自身のコンディションと,そしてエンジニアとして研鑽し続けるための心構えを解説してくれています.特に2023年には ChatGPT がでてきてアメリカの周りのエンジニアはどんな動きをしているのか,日本の文化に触れつつどうあるべきかが記されています.
読了後の所感
読み終えての所感ですが,まず勇気とモチベーションをいただきました.牛尾さんはソフトウェアエンジニアとして働き始めたのは40代からでそこから活躍されていらっしゃいます.自分も牛尾さんが本書で使われている「三流エンジニア」という表現を使うことはないものの,周りと比較して自分を卑下していることが多いです.そんな自分と重ねてみて,文章に現れない努力や苦悩があったと思いますが,現役で世界の第一線で働いている牛尾さんのようなキャリアを描ける可能性がまだあると思えました.
また,本書で登場する「一流エンジニア」の皆さんが実践されていることは特別なことではなく,本当に誰でも実践することができることだと感じました.実践の中のエピソードでやらないことを削り,1つのタスクに集中することや自分だけではいまいち解決できない課題をペアプロを依頼してみるなどは自分の経験としてもあります.成果を出すために必要なことは何かをフォーカスしてそのために不要なものは削り,周りに協力を求めていくことが大事なのだなと思いました.そして,働き続けるための肉体的・精神的なコンティションの整え方について具体例を交えて解説している章も必見です.やはりフィットネスは色々な課題を解決してくれると感じました.
最終章で目をひいたのが ChatGPT が台頭し AI 時代におけるエンジニアとしてどうあるべきかは専門生を磨き続け,変化に備えていることだという一文にあったのですが,その先にあるどんな変化があっても変わらないことを示してくれていました.それは自分の幸せは自分の選択した結果でしか得られないということです.当たり前かもしれないことですが,どれだけ実践ができているだろうと考えます.自戒を込めて,自分はうまく行かない理由を探して自分を正当化しようとしてしまいます.じゃあうまくいかない時に自分を責めたらいいのかというとそうでもないと思います.自分が置かれた環境でうまく行かない時にどうしたら好転するのか,自分が主導権を持って自分で選択してコントロールし続けることが大事と感じます.自分は一年前精神的に凹んだ時期があったのですが,今振り返ると自分が主体的に選択・行動できてないことが多かったし,それを周りと共有して解決に向けて動けてなかったと思います.そんな時期があった自分からすると共感できるポイントばかりでしたし,これから何があっても自分がベストと思う選択をできるように備えてエンジニアとして楽しみ続けたいと思いました.
まとめ
「世界一流エンジニアの思考法」を読んだ所感をまとめていきました.自分のように奮起するきっかけになった方も多いと思うので,本を出版いただき本当にありがとうございました!