継続は力なり

タイトル通り定期的な更新を心掛けるブログです。

データドリブンな組織・仕組み作りを学ぶために『DMM.com を支えるデータ駆動戦略』を読んだ

タダです.

データドリブンな組織や仕組みの考え方や作り方を学びたいと思って「DMM.com を支えるデータ駆動戦略」を読みました.本書を読もうと思ったもう1つのきっかけが DMM.com CTO 松本さんの note を購読しており,その内容が本書でも反映されているとみたので興味をもった次第です.この記事では,その書評記事を書いていきます.

DMM.comを支えるデータ駆動戦略

DMM.comを支えるデータ駆動戦略

目次

  • Chapter 1 データ駆動戦略の全体像を理解する
  • Chapter 2 事業を数値モデルで表現すると予測と自動化ができる
  • Chapter 3 仮説検証を繰り返すことで不確実性を下げていく
  • Chapter 4 なぜ、学習する組織が必要なのか
  • Chapter 5 戦略的Unlearnによる組織モデルの構築
  • Chapter 6 組織構造から発生する力学を操作する
  • Chapter 7 データを集約して民主化する
  • Chapter 8 商品レビューをデータ駆動でグロースさせてみよう!

本書はいくつか目的別の読み方が紹介されているのですが,今回は全体のトピックを抑えたいため Chapter 1,3,4,8 の内容を先行で読んだので章ごとに所感をまとめます.

章ごとの所感

Chapter 1 データ駆動戦略の全体像を理解する

Chapter 1 ではデータ駆動戦略の全体像について説明されてます.データ駆動戦略のために事業の数値モデルによる KPI ツリー作成,課題の可視化での施作の優先度付け,「仮説 -> 実験 -> 学習 -> 意思決定」を回す必要性が書かれています.武器となるのはデータで,事業の KPI を数値化して施作の結果を計測することによって事業の不確実性を下げたり,意思決定にもデータを使えば客観的な指針となり,スピード感も増すとあります.

自分の会社ではデータドリブンな組織を目指しています.データを基に意思決定する土壌はあるのですが,そのデータが蓄積されてないものや振り返りを数値をみながらやれてない部分があるのでやっていきたいと感じました.

Chapter 3 仮説検証を繰り返すことで不確実性を下げていく

Chapter 3 では如何に仮設検証を繰り返して事業が成功するかどうかわからない不確実性を下げる考え方やアプローチが紹介されています.仮設検証の全体フローは「仮説 -> 実験 -> 学習 -> 意思決定」の中で,実験の工程を多くできる環境が必要になるとあります.組織が大きくなると計画に時間をかけがちだが時間をかけるのは実験を正しい方向で実行し,失敗を許容できる範囲でスピードをあげていけるかが重要になります.

そのために影響範囲を小さくしていくいくための基準(予算に対する影響度)を定めつつその範囲で実験を行う.また,失敗のハードルを下げる方法として A/Bテスト MVP(Minimum Viable Product)が紹介されています.失敗をどこまで許容してその範囲で実験を繰り返していけるか(イテレーティブ),実験の中でのボトルネックを可視化(バリューストリーム),WIP をカンバン化などアジャイルの型が本章で登場しました.不確実性がある事業をスケールさせるために変化に強くあるためのアプローチが本章で取り上げられていたと思います.

自分が所属する会社は小さく早く実験を行うことは寛容なので土壌はあるなと思いつつ,本章のようなアジャイルライクにやれているかと問われるとそこまでではないかもしれないので本章のメソッドを取り入れられるところは取り入れたいと感じました.

Chapter 4 なぜ、学習する組織が必要なのか

Chapter 3 で仮設検証を回すためには仮説に対する検証から正しく学習できる組織であらねばならず,誰かからの指示待ちではなく個々人が状況を判断していく組織を目指すことが書かれています.本章では Unlearn という言葉が登場します.検証結果から学んで終わりではなく,都度検証ごとに適応し続けて学習する(アップデートし続ける)行為を指します.チームにあった Unlearn のプロセスを作っていくことが書かれてありました.自分の会社に当てはめてみると小さい組織だからその場その場の学習して経験を積む機会は多いと思うのですが,それがチームに浸透しているかというと特定の人に寄っているかもしれないと感じるので相互に学習をアップデートしつづけるようなプロセスを作りたいです.

note.com

Chapter 8 商品レビューをデータ駆動でグロースさせてみよう!

Chapter 8 はケーススタディでデータ駆動による事業グロースのアプローチの仕方が載っていました.自分は事業開発や事業責任みたいなロールではないですが,ロールに囚われずにこの辺はやっていきたいし,他のチームメンバーと共同で進めていきたいと思っています.自分が事業をみるような立場になった時に備えて繰り返し本章を読んでいこうと思います.

まとめ

DMM.com を支えるデータ駆動戦略」の全体的なトピックをさらうために読んだ所感を整理しました.事業の不確実性に対して如何に失敗を許容して仮設検証の結果を血肉にするために学んでいく,データ駆動戦略の考え方を大枠をつかめたと思いますし,多数の事業を行われている DMM.com のナレッジを読めて学びが多い本だと感じます.全般を読めたわけではないので他のパートを読んでいきます!