タダです。
社内でチームビルディングに関する「THE TEAM 5つの法則」を読んで、より良いチームにしていくためのアクションをディスカッションしていく場に参加するため、本書を読み終えたのと合わせて本書の書評を書いていきます。
THE TEAM 5つの法則 (NewsPicks Book)
- 作者: 麻野耕司
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2019/04/03
- メディア: 単行本
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目次
- 第1章 Aim(目標設定)の法則
- 第2章 Boarding(人員選定)の法則
- 第3章 Communication(意思疎通)の法則
- 第4章 Decision(意思決定)の法則
- 第5章 Engagement(共感創造)の法則
- 特別収録 チームの落とし穴
- 最終章 私たちの運命を変えた[チームの法則]
- 終わりに
チームを構成する5つの法則
本書では、良いチームを構成する法則として5つの柱を提示しています。図解すると以下の様なイメージです。
- Aim : チームで共通の目的を設定する
- Boarding : チームを構成するメンバーの選定
- Communication : メンバーとの繋がり
- Dicision : チームの方向性を決定する
- Engagement : メンバーとチームとの結束
これら5つの法則に照らして自分の所属するチームを評価してみるのが本書のメインテーマになっています。
チームの目標設定にはメンバーのレベルと、コミットのレベルがキー
チームも何かを達成するために構成され、チームが達成する「共通の目的」を共有していればアクションを起こせます。本書では目的はチームのメンバーの行動や思考のレベルに応じて設定すると紹介しています。
- 自ら考え、行動できる人が多い: 理念やその理念に至るための成果を目的に設定
- 自ら考え、行動できる人が少ない : どんなアクションをするかを目的に設定
変化が多く、その変化に対応していく必要がある業界に身を置く場合は、「1」が合っている目的の設定方法だなと思います。また、筆者は目標設定のトレンドは OKR に移っており、「何故やるべきか、何をやるべきか」を明らかになればメンバーの行動に意義を与えられると述べています。確かに「WHY」が共有されていれば、行動の裏付けになって「共通の目的」を持って取り組めるので大切だと思いました。
文章に書いてませんでしたがもう一歩踏み込んでその目的を共有し、咀嚼することも必要かと思いました。目的を共有して終わりじゃなくて、それぞれが咀嚼して落とし込むことで、具体的なアクションをイメージできるほどになればチームの目標設定として効率的なのかと。
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チームは入口と出口どちらを大切にするか
目的を達成するためのメンバーの人選は大切になります。会社でも採用やチームのメンバーの人選はそれぞれ方針あると思いますが、本書では「環境の変化度合い」と「人との関わり度合い」によって4つのパターンで分けています。前者はチームの外部の環境変化度合い、後者はメンバーの活動への他人への影響度合いです。
- サッカー型 : 「環境の変化度合い」が大きい、「人との関わり度合い」も大きい
- 野球型 : 「環境の変化度合い」が小さい、「人との関わり度合い」は大きい
- 柔道団体型 : 「環境の変化度合い」が大きい、「人との関わり度合い」は小さい
- 駅伝型 : 「環境の変化度合い」が小さい、「人との関わり度合い」も小さい
人選においてこだわるのは、上記の環境や人との関わり度合いで見た時に「入口」か「出口」と説明しています。つまり環境の変化や人との関わりが強いチームは、変化に応じて人の出入りをしやすくするため「出口」での人選をこだわり、逆は、「入口」で人選をこだわり長く固定メンバーで運営するよう体制を築くことを述べていました。
IT 業界の中でも僕の所属するクラウドの業界はホットな業界でかつ変化も激しく、色々なチームと関わるため、「出口」に拘った人選をした方が良いということになります。本書では環境の変化はチームから見て外に向いていましたが、チーム内や組織内の変化にも抵抗ない人、楽しめる人かは大切かと思います。外の変化の対応のために内のルールや体制、文化も変わることはあります。その変化に応じることができる人を選ぶ「入口」の人選にもある程度(例えば、文化へのマッチング等)重きを置かないと強いチームに成長していくのが難しいかと思います。
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「入口」のオンボーディングに着目した記事で、各社のオンボーディング施作は参考になりました。
相互理解と心理的安全性の確保
人選が終わり、構成したチーム内でのコミュニケーションが個々が活躍しチームが躍進するために必要ですが、本書で特に共感できたのがメンバーとの「相互理解」と「心理的安全性の確保」です。
前者はメンバーが自分のことをリーダーは理解してくれていると思うことで、チーム内の動きがイキイキしてる人たちはリーダーやメンバーが互いを理解して、会話できる関係性が築けていることが多いと思います。また、「心理的安全性の確保」は自分を晒しても引かれない場があるかコミュニケーションの一番大切なことだと思います。自分の意見を言っても白けたり、貶されたりするような場では自分の意見を押さえ込んでいきますしね。
チームの決定事項へのメンバーのコミットメントまで考える
本書ではチームが目的達成のために行う決断する方法として3つの方法が紹介されています。以下の3つのうちどれがいいのかではなく、チームの特性に応じてメンバーの納得の程度が違うためチームの特性から決定手法を探る必要があります。
- 独裁
- 多数決
- 合議
僕はいずれの決定手法によって決まったことに対してのメンバーのコミットメントにも着目した方が良いかと思いました。僕の会社では「Disagree and Commit」が大切にされています。リーダーの意見に対して違和感があれば異議を唱えて、決定されたらその決定事項にコミットするという考え方です。コミュニケーションの法則と被りますが、メンバーが意見できる機会を設けて好き勝手言うだけじゃなくて、その決定にチームのメンバーとしてコミットすることも決定事項の遂行において大切です。
参考記事
会社のキックオフ時に行った施作の記事です。
Amazon の考え方にもありますね。
エンゲージメントの方程式
チームのメンバーがイキイキ活動できるのは、チームの方針に対してメンバーが共感しているからです。本書ではその観点を4つにまとめています。次のいずれかに共感し、チームにジョインしているというのが筆者の意見です。
- Philosophy : 理念・方針
- Profession : 活動・成長
- People : 人材・風土
- Priviledge : 待遇・特権
また、これらの共感(モチベーション)の方程式があってユニークで、やりたい(目標) × やれる(目標達成のためのアクション) × やるべき(達成できない時のペナルティ)
という式になるといいます。やりたいとやれるまではあってもやるべきまでを設定することで、メンバーに「当事者意識」を持って取り組めるという説明があり、確かに「当事者意識」を持って取り組んだことはモチベーションを高く維持できていたなーと JAWS DAYS のスタッフをやっていた時の経験で書いていました。チームにジョインした原点(オリジン)と、モチベーションを維持する「当事者意識」を持って関われるかは重要なファクターと言えます。
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まとめ
「THE TEAM 5つの法則」で紹介された法則に基づいて書評を書いてみました。この法則に沿って自分のチーム(組織)を見つめ直すきっかけをくれる本だと思います。僕も5つの法則に照らした見た時の自分のチームについてまとめたので、メンバーと色々ディスカッションしていくのが楽しみです。チームビルディングに関する指標の参考が欲しい方は一読されることをお勧めします。